ブログと言うものも、習慣として書きなれるとスムースに続くのですが、忙しさにかまけて暫くお休みしてしまうと、アッと言う間に間が空いてしまいます。これからお話しする「切れたチェーン」のようにならないようにしなくては…
木材業は山での植林・育林から、それを伐採・搬出する業種、その原木を直接、製材工場が買い取る場合でも、自社の製材適材ではないものを処分するための原木市場やチップ製造業者などなど、様々な業種が絡み合い、仕事を分担して成り立っています。
山に生えている木が全て製材適材では無い以上、曲がり材や細丸太の処理は重要で、大規模な木材産地であれば製材乾燥用のボイラーの熱源にするとか、最近では木質バイオマス発電に利用するとか、方法はありますが、千葉県のように中小零細製材工場が殆どで、それらを回って端材を集め、燃料用チップにするの、ペレットを作るのと言うのは輸送コストで食われてしまって、有効な方法とは言えないのが実情です。燃やす材が集まらなければ、竹でも良いから燃やせという積極派もいますが、それもどうも…
端材は出さないのが最良。当社では原木市場で購入した丸太を賃挽きしてもらう場合、端材も極力引き取り、木工クラフトの材料にしているため、製材工場からは榎戸サンの丸太を挽くと端材が少なくて助かると感謝されているくらいです。
果たして現在の木質バイオマス発電ブームがいつまで続くかはわかりませんが、いずれにしても切り捨て間伐が出来なくなりつつある現状、千葉県内の何カ所かに集積場を作り、製材適材以外はそこに集積し、まとまったら大型のトラックやトレーラーでチップ工場に運ぶのが現実的でしょう。発電施設を安定的に操業するだけの燃料チップを安定的に供給するのは難しいと思われるからです。
それ以前に、素材生産の維持が問題です。千葉県の山武スギは、元々良材を育てて高く売ることを目的とした造林ではなく、太平洋側から吹いてくる強い風から田畑や農家の建物を守るための防風林が主であったため、山を管理する意識が低く、素材生産は製材工場が兼ねているケースが多いのです。
その製材工場も、経営者の高齢化と後継者不足で、年々、減っています。今後、その傾向は更に強まるでしょう。今から、将来の間伐、皆伐、再造林をどうしていくのかを真剣に考え、対策を立てておかないと、山には山武スギがあるのに、原木が出て来ないと言う状況に陥るのは目に見えています。
長男の将来の夢は、山元に社団法人やNPOを作り、そこが主体となって植林、育林をし、榎戸材木店の利益を山に還元していくことのようですが、これには私も大賛成です。私は個人的にNPO国産材を設立し、私費を投じてPR活動まではして来ましたが、そんな規模では限界があります。
当社が主力商品として千葉県産の山武スギを取り扱っていくにしても、それを安定供給して貰わなくては話になりません。切れつつある「産業、企業のチェーン」を再構築する必要性を、ひしひしと感じています。